江成常夫写真展「After the TSUNAMI 東日本大震災」記念トークショー
3月2日(土)、江波常夫写真展記念トークショー「東日本大震災―7年半にまたがる記憶―」が開催される。13:30~15:00まで、入場無料。
2月28日(木)から3月6日(水)まで、東京・四谷1丁目のポートレートギャラリーで開催される江成常夫写真展「After the TSUNAMI 東日本大震災」を記念して開催するもの。東日本相震災から8年、当初から延べ7年間にわたり被災地の岩手、宮城、福島の3県にまたがって写真取材を続けてきた。その写真を元に未曾有の震災と復興の〝かたち〟を展示した会場でのトークショーとなる。
「戦争、天災、日常のもとにあっても人の世の不条理は、とかく声を持たない弱い人たちに皺寄せされる。私は組織の枠を離れてからの40年余り、戦争のもとで死と涙を強いられてきた、声なき人たちの声を写真で代弁してきた」という江成氏。
2011年4月30日、仙台新港、名取市閖上(ゆりあげ)地区の中心街への取材から始まり、その「軒を連ねていた家屋のほとんどが押し流され、残骸と瓦礫の荒野になり果てている」様子や寺の墓石が見渡す限り薙ぎ倒され、骨壺までがあらわな光景など、美しく豊かで万物に豊穣をもたらした自然が、「ここでは悪魔と化し」。その猛威に息を呑んだ。
折しも東京電力が大震災以後、運転を休止していた福島第二原発の廃炉を表明した。「…我が国も世界唯一の被爆国。全国に点在する原発を廃棄する国民的行動が必要である。約19、000人もの人命が犠牲になった、東日本大震災は、そのことを教えている」と江成氏は語る。
写真展の題名は『 After the TSUNAMI 』、現実は悲惨な結果を招いたが、それは人々の手によって「津波の前」のままの風景にもなりうる、という思いが込められている。
心に刻みたい作品の数々、8年にわたる取材の末にできた渾身の写真集「『After the TSUNAMI』東日本大震災」も会場にて発売。